読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

日曜の午後、木曜の夕方

写真が趣味になりました

『帰ってきたヒトラー』を読んだ

前から読みたかったこの本。ドイツ国内で出版されてかなり反響があったようです。

WW2の頃のドイツの独裁者ヒトラー。日本の近代史教育ではなかなかドイツにスポットが当たることがないため、ヒトラーがタブーという意識も低いと思いますが、ドイツ語の題名が"Er ist wieder da" (『彼が再び来た』)となっているあたり、ハリーポッターでヴォルデモートのことを『名前を言ってはいけないあの人』と呼ぶようなタブー感覚があるんでしょうか。

そうした社会の暗黙の了解(というかドイツではナチス礼賛は法で禁止されています)を破った本ではありますが、ドイツ国内でベストセラーになったようです。WW2から70年ほど経ち、当時のことを知る人がいなくなってきているからこそ、ナチスに正面から向き合う、良いきっかけをこの本は作ったのではと思います。

僕はナチスに特別詳しいわけではない、普通の大学生ですが、読んだことのあるナチス関連の本というと、スティーヴンキングの『ゴールデンボーイ』があります。裕福な家庭に育った優等生が、元ナチス将校と出会って当時の話に心が惹かれて行き、狂っていくという話ですが、人間は「見てはいけない」と言われた物ほど見たくなるものです。

ヨーロッパでは若者の失業率が高いそうで、社会への不満が溜まっていると言えるでしょう。その社会の問題を移民に転化した若者が、タブーを犯してナチスに傾倒するというのもあながちあり得ないシナリオではないように思えます。

国際政治の問題は各国様々な立場があるので、単純に正解の出る問題ではないと思いますが、いずれにせよ失敗を潔く認め、二度と同じ間違いを犯さないように努力しなければと思います。