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日曜の午後、木曜の夕方

写真が趣味になりました

『地球温暖化を考える』(宇沢弘文、1995)

先日亡くなられた、宇沢弘文さんによる地球温暖化問題の啓蒙書です。



恥ずかしながら、亡くなられたという新聞記事が出るまでこの方のことを知らなかったのですが、経済学の本場であるアメリカで活躍された数少ない日本人のようです。

教え子には経済学部生にはお馴染みのスティグリッツ教授などもいるように、レジェンド級の経済学者だったようです。存命中にお会いできなかったのがとても残念に思います。


さて、この『地球温暖化を考える』という本は、まず「地球温暖化」という環境問題の要因や被害状況を伝えるとともに、その対策の遅れについても提言しています。

後半では資本主義vs社会主義という20世紀的な経済の枠組みから脱却し、より持続可能で豊かな生活が送れる社会を形成しなければならないと主張しています。


この本を読んでまず感じたことは、僕たち若い世代が小学校、中学校で使用した教科書の内容とほぼ同じ主張がされているいうことです。つまり1995年当時の宇沢弘文さんの考えが、主に平成生まれ以降の世代の環境意識の根底にあるということです。

例えば京都議定書を批准しなかったアメリカへの批判や、すべての異常気象の原因を地球温暖化になすりつけるような主張がそうです。

僕自身はこうした一方的な意見を真実にかのように教科書に載せるのは好きではないです。
地球温暖化によって得られるメリットもおそらくあり、そうした多様な考え方があることを子供に教育するのがいいのではないのかと思います。


ただ、後半の宇沢弘文さんの主張はとても熱のこもったものであることが伝わってくる文章でした。
国債の問題、為替の問題などからすぐに資本主義経済を捨てることはできないと思いますが、資本主義経済の次の経済のありかたを考えていく段階に近づいているのかなと思います。


本書の中に、いままで経済学者としてJ•S•ミルが取り上げられていました。
今後の社会のヒントがありそうなのでまた本を読んでみたいと思います。